日本の農業現場では、ハウス用フィルムやマルチフィルムなど、さまざまな農業用PEフィルムが使用されています。使用済みフィルムは回収・洗浄後、再生PEペレットの原料として利用できますが、洗浄が終われば、そのまま安定して押出加工できるとは限りません。
すでに農ポリ洗浄設備を導入しており、新たにペレット化工程を追加したい再生事業者にとって、重要なのは洗浄後の原料状態です。残留水分や細かな異物に加え、薄くてかさばるフィルムの形状も、後工程の搬送や押出機への供給に影響します。
そのため、造粒設備の導入では、洗浄能力だけでなく、脱水後のフィルムをどのように押出工程へつなぐかを確認する必要があります。
農業用廃フィルムの汚れ方は、使用環境によって異なります。ハウス用フィルムとマルチフィルムでは、土砂や植物片、水分の付着状況が異なるため、同じ洗浄工程を通しても仕上がりに差が生じることがあります。
特に、フィルムの折り重なった部分には水分が残りやすく、十分に脱水されないまま押出機に投入すると、加熱時に発生する水蒸気によって溶融状態が不安定になったり、再生ペレットに気泡が生じたりする場合があります。また、残留した細かな砂や異物は、溶融樹脂のろ過工程に負荷をかける原因にもなります。
原料の材質確認も欠かせません。PEフィルムに異なる種類の樹脂やひもなどが混入していると、洗浄後であってもペレット品質に影響する可能性があります。
既存の洗浄ラインに造粒工程を追加する場合は、まず洗浄後のフィルムに目立った水分や異物が残っていないか、原料の種類が混在していないかを確認します。必要に応じて実際の原料を用いたテストを行い、後工程に適した処理方法を検討することが重要です。
破砕・洗浄後の農業用フィルムは、薄くてかさばる状態になりやすい材料です。そのまま一般的な押出機のホッパーへ投入すると、原料が詰まったり、供給量にばらつきが生じたりすることがあります。安定したペレット化には、水分を減らすだけでなく、押出機へ原料を連続供給できる状態に整えることが必要です。
洗浄後のフィルムに水分が多く残る場合は、原料の状態に応じて機械式脱水機やスクイーズ脱水機を使用し、必要に応じて組み合わせます。スクイーズ脱水は水分を減らすとともに、かさばるフィルムの排出状態を改善し、後工程への搬送をしやすくする役割もあります。
脱水後もフィルムがかさばる場合は、押出機の供給方式に合わせて、アグロメレーターによる減容処理や強制供給装置の採用を検討します。一方、圧縮供給機構を備えた造粒設備であれば、独立したアグロメレーターを設けずに処理できる場合もあります。必要な構成は、フィルムの厚さや形状、装置の仕様によって異なります。
押出工程では、原料に残る異物や水分の状態に応じて、溶融フィルターや脱気装置の構成も検討します。ただし、これらの装置は前工程の洗浄・脱水を代替するものではありません。
既存の農業用フィルム洗浄ラインに造粒設備を追加する場合は、洗浄後の実際の排出量と、押出機が安定して処理できる量を確認することが大切です。
回収フィルムは水分や土砂などの混入状況によって状態が異なるため、洗浄ラインと押出機のカタログ上の処理能力を、そのまま同じ条件で比較することはできません。
洗浄ラインからの排出量にばらつきがある場合は、一時貯留や供給量の調整によって、押出機への原料供給を安定させる方法も考えられます。新設ラインでは、洗浄・脱水・押出の各工程が無理なく連続運転できる構成を検討する必要があります。
個々の設備の最大処理能力を高めることよりも、工程全体で安定して再生ペレットを生産できることが重要です。
すでに農業用フィルムの洗浄ラインを導入しており、ペレット化工程を追加したい場合、GREENMAXでは洗浄後のフィルムの含水状態や排出量、目標とする再生ペレットの用途に応じて、スクイーズ脱水機、供給装置、押出機などの設備構成を検討できます。
新たにリサイクルラインを導入する場合は、原料の材質や汚れの状態を確認しながら、フィルム洗浄機とフィルム押出機を組み合わせた工程についてもご提案します。
農業用廃フィルムの再生ペレット化をご検討の際は、処理するフィルムの写真、予定処理量、既存設備の情報などをお知らせください。必要に応じて実際の原料によるテストも行い、現場の条件に合った設備構成をご案内します。